私のお店は、高田馬場で数ある飲食店の中でも尖ったアイテムの1つです。所謂専門店や特化型店舗というのは巷でも豊富にあります。
では、くろしろで出す豚の角煮丼は弊店でしか出せないのかというとそういう訳ではありません。
実際に豚の角煮定食を出している店は、個人調査によるものですが、高田馬場近辺でも7店舗もあります。
そして、この豚の角煮は調理工程がほぼ同一ということで、差別化が大変難しいです。
では、なぜ穴場の店舗になりえるのかを説明していきます。
そもそも駅から遠い
穴場の飲食店の多くは、1.5-2等地でかつ、駅から比較的離れた場所に位置していることが多いと思います(完全に自分定義)。
くろしろは高田馬場駅(1.5等地)から徒歩12分と、十分穴場のお店の定義をクリアしているものと考えています。では、穴場の飲食店は美味しいのかという話になります。ここからは少し数字の話になります。
駅から遠いメリットはお客様にあります。
それは、「安く」「美味しい食材」が食べれるからです。理由は、家賃にあります。駅から徒歩1,2,3,5,7,10,15分という風に離れることにより、その家賃(実質は土地の価格)が安くなります。
駅から遠い=不便=土地が安い=その上にある建物も安い=家賃が安い
という理屈です。では安くなった家賃の費用をどこかにスイッチすれば、お客様満足度は上げられないか?という事です。
それはつまり、「食材」です。駅近の飲食店で同じ物を食べようとすると、食材価格は同一でも家賃が高いため、販売価格は高くなります。
一方で、もしそのメニューの販売価格が駅から遠い店舗と同じ(例えば、焼肉定食が900円)だったとしたら、肉の鮮度が悪い(古い)ということになります。
逆に、駅から遠い場合、家賃が安くその分を食材費に充てられるため、肉の鮮度が良い(新しい)ということになります。
駅から遠く、アクセスが悪いお店は良い食材を使っている傾向が高いです。とはいえ、実体は飲食店オーナーの調理の力量や、鍛錬、食へのあくなき執念により、料理の質は変動します。
駅から遠い店でも手を抜いて経営すれば、お客様は足が遠のき、食材が良くても売上が上がらず、廃業することは多くあります。
とはいえ、私個人では、基本的に外食するときは、駅から遠いお店を選びがちです。そして、このロジックが崩れたことはほぼないですね。
穴場=駅から遠いのはお客様のためでもあるため、ぜひお見知りおきください。
豚の角煮丼専門店自体が少ない
穴場という言葉に定義があるとすれば、それは希少性も重要な要素の1つです。
巷でも、よくあるのが、「専門店」や「特化型」などいうお店です。これは飲食店に限らず、不動産会社や自転車屋などその種別は多岐にわたる。
弊店も、「専門店」として、角煮丼を専門に扱うお店です。それ自体に希少性を持たせることで、穴場感がでるのです。
そして、私のお店は専門店の中でも、「豚の角煮丼」をメインに取り扱っています。
ネットで調べた限りでも、豚の角煮自体は実は名わき役料理であるにも関わず、専門店がほとんどないのが現状です。
東京都内にも何店舗かあったのですが、現在は閉店してしまったようで、実存するのは数店舗のみです。
そのため、シンプルで奥が深い豚の角煮の限界の旨さへ挑戦するために的を絞りました。
料理人とは一線を画す、経営者兼マーケッターが作る
料理を手掛けるのは、代表兼マーケッターの(私)若井です。
なぜ料理人を雇わないのかというと、2つ理由があります。
- プロダクトアウト(料理ありき)ではなく、マーケットイン(お客様の希望を都度反映させたい)という変化率を大事にしたいから
- 単一商品を作り続けることに不向きだから
ということ2点です。
プロダクトアウトとマーケットインとは
これはマーケティングを元にした考え方で、
製品(プロダクト)を作るときに、
・自分目線で製品を作るか=プロダクトアウト
・市場目線で製品を作るか=マーケットイン
ということを視点におきます。
自分目線で作る場合、飲食店を例に挙げると、料理人が自信を持って提供する料理。料理人は、自慢の一品であるため、これを食べれば繁盛店になるのは間違いないと本気で信じこみます。
仮にそれが市場で求められていない場合が多く、かつ、味を伝える前にその店自体を知ってもらわなければいけないことを忘れてしまいます。
いくら美味しいものを作ったとしても、その店が世の中から知られていなければ、食べてもらう以前の話となってしまいます。
次に、
市場目線で作る場合、その地域や住んでいる住民の平均年収や年齢、趣味趣向などを分析し、求められるであろう製品を市場に合わせて開発し提供することです。
ただし、この製品開発も、いくら分析しても最初は大きくズレることが多く、繁盛店になるためには都度製品開発をすることが余儀なくされます。これはいわゆる、自分の自信の作品を一度改め、変化させる必要があります。
仮に料理人がそれをする場合、変化ができない頑固さを持ち合わせていた場合、変化すべき現状に対応できずに、いつまでも製品が売れない状態が続きます。
そうすると、単純に経営状況が悪化していきます。
まずは、オーナー(や料理長)以外の人件費を減らし、家賃などの支払いに充てる。さらには、販売促進を進め、1つでも多く製品を売るために10%や20%値引き戦略をする。
そしてそれでも利益確保が難しくなると、食材を仕入れる予算を減額して、素材の質を落とすことになります。すると、そんな状態でもわずかに残っていたファン(リピーター)は愛想をつかし、離れていきいよいよ資金がなくなる。
というのが一般的な飲食店の終焉となります。あくまで一般的な流れとなるため、確実性のある話ではありませんが、飲食店(法人)の廃業率は、
<飲食店の廃業率>2年以内に50%が閉店する5つの理由と、潰れない店の特徴
- 1年後:27%(生存率:73%)
- 5年後:58%(生存率:42%)
- 10年後:74%(生存率:26%)
https://www.unchi-co.com/kaigyoblog/insyoku/haigyo.html
と言われています。
私は、もともと、会社経営をしつつ、財務経理、WEBマーケに精通しています。経営戦略や戦術を勉強する中で、ビジネスというのは成功法が無限にある一方、ビジネスの終わり方には再現性があることを発見しました。
と、かっこよく言っても割といろんな経営者YouTubeの方が、おっしゃってます。
その内容は前述したとおりのもので、料理人が自信があり、環境変化に乏しいと経営が長続きしないということです。
その為、私はマーケットやお客様の要望を逐一取り入れて、常に変化のあるお店作りを心掛けて、クオリティをどんどんあげていこうと考えています。
投稿者プロフィール
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株式会社A-S(エース不動産)を創設し、現在に至る。
オウンドメディア運営(コラム ・YouTube ・TiKToK 配信等)、経営・財務戦略策定、マーケティング運営全般を担当。
2023年、自身のマーケティング能力を使い、飲食店集客を新規事業の軸としつつ、自身で直接お客様のニーズを掴むために先頭に立ち飲食の店舗運営をする。
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