こんにちは。高田馬場の豚の角煮専門店「角煮丼屋くろしろ」店主の若井です。

豚の角煮は「時間がかかるのに、硬くなったりパサついたりして失敗しやすい」料理です。圧力鍋がないとあきらめている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、毎日角煮だけを仕込んでいる専門店の作り方をもとに、圧力鍋を使わず、普通の鍋で豚バラをとろとろにする方法を家庭向けにまとめました。秘密の調味料と、柔らかくなる理由もあわせて解説します。

結論:圧力鍋なしで角煮をとろとろにする3つのコツ

  • 表面を焼いてから、ぐらぐら煮立てない。フライパンで表面を軽く焼き、超低温(表面がかすかに揺れる程度)で「30分茹でる→30分休ませる」を3回くり返す
  • 下茹では米のとぎ汁で。長ねぎの青い部分としょうがを入れると、とぎ汁の酵素の力で肉が柔らかくなり、臭みと余分な脂も抜ける
  • 煮込んだら一晩(約12時間)寝かせる。冷める間に味がしみ込み、固まった脂も取り除ける。食べる前に15分煮からめて完成

必要なのは技術ではなく時間です。作業時間は短く、ほとんどは「待つだけ」です。

豚の角煮が硬くなる原因と、とろとろになる仕組み

鍋で下茹でしている豚バラ肉

豚バラ肉には、すじや皮の部分にコラーゲンが多く含まれています。コラーゲンは長い時間加熱するとゼラチンに変わり、口の中でほどける「とろとろ」の食感になります。

ところが、強火でぐらぐら沸騰させると、肉の繊維がぎゅっと縮んで水分が押し出され、硬く、パサパサになってしまいます。角煮づくりの失敗のほとんどはこれが原因です。

だからこそ、低めの温度でじっくり火を入れ、火を止めて休ませることが大切です。冷めていく間に肉が煮汁を吸い戻し、繊維を保ったまま柔らかくなります。当店でも、茹でる・煮込む作業の合間に、それ以上の時間をかけて寝かせています。

材料(お店の配合をもとにした家庭向けの目安)

角煮丼屋くろしろで実際に使っている1食分の配合を、家庭で量りやすいように丸めた目安です。1人分は当店の角煮1本分(仕上がり約200g)にあたります。

1人分(豚バラ約225g)2人分(豚バラ約450g)
豚バラ肉ブロック約225gブロック約450g
下茹で用米のとぎ汁(肉がかぶる量)、長ねぎの青い部分12g、しょうが2g(ざく切り)米のとぎ汁(肉がかぶる量)、長ねぎの青い部分25g、しょうが4g
出汁水500ml、昆布7g、花かつお4g水1L、昆布15g、花かつお8g
調味料酒100ml、みりん40ml、しょうゆ65ml、砂糖65g酒200ml、みりん80ml、しょうゆ130ml、砂糖130g

※当店では、米のとぎ汁2リットルに長ねぎの青い部分2本分・しょうが1個分(ざく切り)を入れて、約4食分をまとめて下茹でしています。

※当店では小麦を使っていないしょうゆを使っています。グルテンフリーにしたい場合は、小麦不使用のしょうゆを選んでください。味の濃さはお好みで調整してください。

秘密の調味料は「お米」:下茹でで使う理由

豚の角煮に使う調味料

当店が下茹でで特に大事にしているのが、お米の力です。米のとぎ汁で下茹ですると、とぎ汁に含まれる酵素の働きで肉が柔らかくなり、豚肉の臭みや余分な脂も抜けて、しっとり仕上がります。

とぎ汁を使うのには、もう一つ理由があります。ふつうは捨ててしまう米のとぎ汁を、料理に活かせるからです。食材を無駄にしないSDGsの観点からも、当店ではとぎ汁を大切にしています。

さらに米麹には、たんぱく質を分解する酵素が含まれています。下茹でに少し加えると、肉がよりほぐれやすくなります。

しょうがと長ねぎの青い部分は、豚肉の臭みを消すための香味野菜です。当店では下茹でのとぎ汁に入れます。昆布とかつお節の出汁が、八角を使わない和風の旨みのもとになります。

圧力鍋なしで作る豚の角煮の作り方

工程やり方と時間
① 表面を焼くフライパンで豚バラ肉の表面を軽く焼く
② 下茹で鍋に肉・米のとぎ汁・長ねぎの青い部分・しょうがを入れて火にかけ、沸騰直前で火を弱める。表面がかすかに揺れる超低温で30分
③ 休ませる火を止めてフタをし、30分置く
④ くり返す②と③をあと2回くり返す(合計3回・約3時間)
⑤ 洗う肉を取り出し、ぬるま湯でアクを洗い流す
⑥ 出汁をとる鍋に水と昆布を入れ、とろ火で30分。昆布を取り出して花かつおを入れ、2分たったらこす(当店では水2リットルに昆布2〜3本・花かつお両手いっぱい分で、約4食分をまとめてとります)
⑦ 煮込む出汁に酒・砂糖と肉を入れ、落としぶたをして弱火で煮込む。30分ほどたったらしょうゆを加え、合計90分
⑧ 寝かせる火を止めて粗熱を取り、煮汁ごと冷蔵庫で約12時間。表面に白く固まった脂を取り除く
⑨ 煮からめる食べる前にみりんを加え、煮汁を煮詰めながら15分。照りが出たら完成

作業そのものは短く、ほとんどが「待つ時間」です。前の日の夜に⑧まで済ませておけば、翌日は温めて煮からめるだけで食べられます。

とろとろに仕上げるためのポイント

  • 沸騰させない:ぐらぐら煮立てるほど硬くなります。弱火で「静かに揺れる」状態を保ちます
  • 砂糖が先、しょうゆは後:砂糖は肉の水分を保ち、しっとりさせます。塩分の多いしょうゆを最初から入れると身が締まりやすいので、途中から加えます
  • みりんは最後:照りを出す役目なので、仕上げの煮からめで加えます
  • 大きめに切る:長時間煮ると縮むので、5〜6cm角と大きめに切ると形がきれいに残ります

肉を柔らかくする食材は他にもある?

パイナップル・キウイ・まいたけなどにも、たんぱく質を分解する酵素が含まれています。ただし入れすぎたり長く漬けたりすると、食感がぐずぐずに崩れてしまいます。また酵素は加熱すると働かなくなるため、使う場合は加熱前に短時間にとどめましょう。角煮らしい味と食感を守るなら、お米を使う方法がおすすめです。

アレンジ・味変のおすすめ

同じ角煮に飽きたら、味変も楽しめます。店主のおすすめは次の2つです。

  • 山椒:食べ進めると重たくなってくる脂身がさっぱりし、味全体が引き締まります
  • チーズ&キムチ:サムギョプサルなど韓国料理でおなじみの組み合わせ。豚肉との相性は抜群です

ほかにも、大根やゆで卵を一緒に煮込む、仕上げにごま油をたらす、八角や五香粉を入れて中華風にする(当店の角煮は八角を使わない和風です)といったアレンジもできます。

お店の角煮は家庭版と何が違う?

角煮丼屋くろしろの角煮も、基本の考え方は同じ「時間をかけて、休ませる」です。そのうえで、家庭では手間のかかる部分にこだわっています。

項目角煮丼屋くろしろ
豚肉ブランド豚「和豚もちぶた」のバラ肉(切り出し約225g)
大きさ仕上がり約200gの一本角煮(箸で縦に割れる柔らかさ)
仕込み15時間以上(量によっては約18時間。下茹で・煮込み・寝かせをくり返す)
味付け昆布とかつおの出汁+小麦不使用のしょうゆ。八角は不使用
定食の内容ご飯200g、具だくさんの豚汁、味玉、マッシュポテト、白髪ねぎ・青ねぎ、紅しょうが、からし
その他角煮丼は検査機関でグルテン「不検出」(タルタル・明太マヨ・ビールは対象外)

「作るのは大変そう」「プロの角煮を一度食べてみたい」という方は、ぜひお店にもお越しください。角煮丼定食は1,900円(豚汁・付け合わせ付き)です。

よくある質問

角煮が硬くなってしまいました。原因は?

多いのは、①強火で沸騰させた、②加熱時間が足りない、③休ませずにすぐ食べた、の3つです。弱火で茹でて休ませる工程を守ると、失敗しにくくなります。

圧力鍋で作るのと何が違いますか?

圧力鍋は短時間で柔らかくできるのが利点です。時間をかけて休ませる作り方は、肉の形を保ったまま、味を中までしっかりしみ込ませやすいのが特長です。

火を止めて休ませる間は、どうすればいいですか?

フタをしたまま置いておくだけで大丈夫です。保温調理鍋や、鍋をタオルで包んでおく方法も温度が下がりにくくおすすめです。

脂っこさを減らすコツは?

煮込み後に一晩冷やすと、脂が白く固まって表面に浮きます。これを取り除くと、すっきりした味になります。

作った角煮は何日もちますか?

冷蔵庫で保存し、2〜3日を目安に早めに食べきってください。食べる分だけ温め直すのがおすすめです。

まとめ:圧力鍋がなくても、時間をかければ角煮はとろとろになる

  • 表面を焼いてから、超低温で「30分茹でる→30分休ませる」を3回
  • 下茹では米のとぎ汁+長ねぎの青い部分・しょうがで、柔らかく臭みなく仕上げる
  • 砂糖を先に、しょうゆは途中、みりんは仕上げに
  • 煮込んだら一晩寝かせ、脂を取って15分煮からめれば完成

ぜひ、ご家庭でとろとろの角煮に挑戦してみてください。プロの角煮を味わいたくなったら、高田馬場の角煮丼屋くろしろ 総本店でお待ちしています。

店名角煮丼屋くろしろ 総本店
住所東京都新宿区高田馬場4-17-17 高田馬場プリンスマンション1F
アクセスJR高田馬場駅 戸山口より徒歩4分/東西線 早稲田口より徒歩6分
営業時間11:00〜15:00(L.O 14:30)※完売次第終了
定休日毎週水曜(不定休あり)
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投稿者プロフィール

若井 直也
若井 直也代表取締役
株式会社A-S(エース不動産)を創設し、現在に至る。
オウンドメディア運営(コラム ・YouTube ・TiKToK 配信等)、経営・財務戦略策定、マーケティング運営全般を担当。
2023年、自身のマーケティング能力を使い、飲食店集客を新規事業の軸としつつ、自身で直接お客様のニーズを掴むために先頭に立ち飲食の店舗運営をする。